下請法ガイドライン想定例 割引困難な手形の交付

関連法規等に関する留意点

○長期手形の交付

下請法の適用対象となる取引を行う場合には、下請代金の支払は金銭によることが原則である。一方、手形による支払も認められているが、著しく長いサイトの手形など、割引困難な手形の交付は、下請事業者の資金繰りに多大な悪影響を与えるため、下請法4条2項2号により禁止されている。具体的には、手形サイトは90日以内とするよう、「下請代金の支払手形のサイト短縮について」(昭和41年3 月11 日、公正取引委員会事務局長及び中小企業庁長官による通達)により定められているので、留意が必要である。

 望ましい取引慣行

○長期手形の交付

手形取引にあたっては、親事業者・下請事業者の資金調達コストや手形管理コストを勘定し、長期サイトの手形による支払を用いないことが望ましい。一般的に言えば、企業規模の大きな親事業者の方が資金調達コストは低く、下請事業者のそれは高いため、下請事業者が手形割引の形で資金調達を行うよりも、親事業者が短期手形又は現金で支払う方が全体として資金調達コストが低減し、その分研究開発や設備投資に振り分けられる資金が多くなるため、我が国製造業の競争力向上に繋がるからである。 

 具体的なベストプラクティス

<手形支払期日を一定に決め、企業の状況に応じて柔軟に対応している例>

企業規模に関係なく手形支払期日を統一。法令遵守の徹底とミスのない支払いを実施している。但し、現金と手形の比率や早期の支払いは企業の資金状況により双方で協議の上、柔軟に対応している。

<支払条件が合理的である例>

親事業者に対して、手形から現金支払への切り替えを依頼したところ、ある割合までは現金支払で、その割合を越えた部分のみユーザーの資金繰りが逼迫するため手形で対応する、というように、決済条件が改善された。