FISPA便り「ベスト・ファーザーはイクメン知事」

 6月第3日曜日は、父の日。母の日に比べると認知度は低そうですが、それでもいまや、日本社会に定着しているのではないでしょうか。その「父の日」を広く認知してもらおうと日本メンズファッション協会(MFU、八木原保理事長)が母体の日本ファーザーズ・デイ委員会は35年前から「ベスト・ファーザーイエローリボン賞」を設け、政治、経済、学術・文化、スポーツの各分野を代表する素敵なお父さんを毎年、表彰してきました。

 2016年のベスト・ファーザーは、鈴木英敬(三重県知事)、大岡親一(円谷プロダクション社長)、小堀宗実(遠州流茶道家元)、ユージ(タレント)、上原浩治(メジャーリーガー)、棚橋弘至(プロレスラー)の各氏が受賞し、先日、パレスホテル東京で授賞式が行われました。

 政治部門の鈴木知事は、2011年に日本最年少の36歳で三重県知事に当選した“現役イクメン知事”。家族は、シンクロナイズドスイミング五輪メダリストの妻、武田美保さんと一男二女。活力ある地域づくりの一環として少子化対策に取り組んでおり、男性の育児参画のための意識や働き方を変えることを基本にした対策の結果、例えば、三重県内の男性の育児休暇取得率は2014年に全国平均の2.7倍になっているそうです。

 ベスト・ファーザーとして表彰されたお父さんは、今回でちょうど200人に達しましたが、この活動は、父の日の認知度を高め、年に一度「お父さんがいる家族」を考えるきっかけになっていると思います。家庭内では、お母さんの陰に隠れているお父さんが多いと思われる「日本のお父さん」。家族は社会の最小単位です。安定した家族は、社会全体を安定させる基本です。この日ばかりは、お父さんを中心に家族仲良く過ごしたいものです。

 表彰式では、ベスト・ファーザー賞のほか、ネクタイの似合うお父さんの「ベストネクタイスト」を表彰しているほか、「お父さんの似顔絵・お父さんへの作文コンクール」の表彰式や東日本大震災の被災遺児へのチャリティ贈呈式、熊本地震の被災者へのチャリティオークションも行われました。

 「ベスト・ファーザーイエローリボン賞」の発表・表彰式やMFUの諸活動が、日本のメンズファッションの振興に役立っていることは確かだと思いながら表彰式会場を後にしました。

                (聖生清重)