FISPA ニュース「平成23年度経営トップセミナー開催」
「平成23年度経営トップセミナー開催」
平成23年度の経営トップセミナーを2月24日メルパルク東京で開催いたしました。今回のセミナーは信州大学経済学部教授真壁昭夫先生を講師にお招きして「TPPとわが国の繊維・ファッション産業について」というテーマでお話しを伺いました。
昨年来、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定:Trans-Pacific Partnership又はTrans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)に関する議論が賛否両論で激しく論じられ、特に、繊維産業については繊維の二次製品の輸入が圧倒的に多いいこともあり、繊維産業の再興には、輸出競争力の強化とともに関税撤廃が一つの条件とも言われております。
また、TPPについて詳しく理解できている方はそれ程多くはないともいわれており、今回のこの機会を活用して知見を深めようと多くの経営トップが参加されました。
真壁先生は講演の中で「APEC(アジア太平洋経済協力:Asia-Pacific Economic Cooperation)では、アジア太平洋地域の経済統合構想であるFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏:Free Trade Area of Asia-Pacific)が最終目標としており、TPPはそのステップの一つである。FTAAPが今後の経済協定の核となっていくことが決まっている以上、日本が参加しないことのリスクは大きい。今後の世界的な貿易協定拡大・深化といった経済連携の潮流から取り残されてしまう可能性がある」と話されました。
その上で、日本はTPP交渉のテーブルには参加できておらず、未だ国内の議論すらまとまっていない状況であることを指摘し、「国内の経済改革、景気回復にはTPPを通した自由貿易による企業体力の強化が必要ではないか」と提言されました。
この講演につきましては、後日、会員の皆様には講演録を作成しお届けする予定でございます。
当協議会では、今後も会員企業・団体の方々にお役に立つような題材を提供していく予定です。