第1回取引改革委員会開催報告
本年度の第1回取引改革委員会を下記の通り開催しました。
■ 開催日時:平成29年6月23日(金)15:00~17:00
■ 開催場所:TFTビル東館9階 9-E会議室
■ 議事次第
1.講義「『もの』から『こと』へ、~スポーツとファッション~」
取引改革委員会委員長
中央大学教授 細野 助博 氏
2.繊維業界における下請取引の実態等に関する調査報告
経済産業省 製造産業局 生活製品課
課長補佐 矢崎 智子 氏
3.平成28 年度事業報告と29年事業活動について
4.全体討議(各委員)
・各委員(団体)の産地の傘下企業における「基本契約書」締結状況
・「歩引き」取引廃止要請文発送後の産地の傘下企業からの反応、問い合わせ等
・現況及び特筆事項等
■ 出席者 18名
■ 会議要旨
細野委員長(中央大学大学院教授)は、「市場が縮小傾向にある中、唯一パーソナルスポーツ系のカテゴリーは伸長している。コト消費の派生から衣料・繊維の分野でもフィットネス用品やランニング用品などパーソナルスポーツアパレルの成長は規模の面から見ても有望性が際立っている。スポーツ市場はまだ広がる余地が残っている」と提言された。
矢崎課長補佐から「繊維業界における下請取引の実態等に関する調査結果概要」の説明がありました。経済産業省が本年2-3月に繊維企業1万社に対しアンケート調査を行った結果では、「最低賃金が引き上げられた際に、発注工賃も引き上げられたか」との問いに、63.4%の企業が「特に協議は行っておらず、引き上げられていない」と回答し、「協議をすることで仕事を切られるリスクがある」との声が最も多かった。
契約書締結は50%にも満たず、矢崎課長補佐は「数年後に同様のアンケートをとったときには改善されていることを期待したい」と報告された。
調査結果は下記をご覧ください。
各団体の産地の傘下企業のおける「基本契約書」締結状況は、多少増えてきたものの産地によっては殆ど締結していない産地もありました。委員からは、「『基本契約書の必要性はない』『古くからの商習慣だから』との意見も多く、トラブルが発生したときだけ、頼ってくることが多い。産地の弱者同士のトラブルは、下請け法に該当しない場合が多い」との報告がされた。
「歩引き」取引廃止については、「止めるように会計士からの指摘を受けた」「廃止要請をして、協議をしている」など適正取引に向けて進んでいるようです。
協議会より、引き続き、団体傘下企業への「基本契約書締結」「歩引き取引廃止」への働きかけの強化をお願いしました。