FISPA便り「7月1日は、何の日」
7月1日は、何の日でしょう。
何々の日、というものがあります。例えば、7月の1日は「国民安全の日」で、実際、365日が何らかの記念日です。そんな意味で歴史に残る7月1日は、どんな日だったのでしょう。
消費増税関連法案は、参議院審議の段階に入りましたが、税金といえば、あの「人民の人民による人民のための政治」と奴隷解放で名高い米国大統領アブラハム・リンカーンの父が荒野に近かったインディアナに開拓者として入植した時の基本財産は「20ドルの現金と10樽のウイスキー」でした。
リンカーンの父が、アルコール中毒だったのではありません。当時、米国西部ではウイスキーが通貨として流通していて、リンカーンの父がケンタッキーの土地を売却した時の「代金」だったのです。
そのウイスキーは、もちろん、とうもろこしを原料にしたバーボン・ウイスキーで、そのバーボンを商品にするための蒸留所を最初に作った人はエバン・シュルビィなる人物でした。1771年のことです。
そう、税金です。どこの国でもそうですが、国家財政が苦しくなると酒に税をかけます。米国でも、1791年7月1日にウイスキーへの課税が連邦議会を通過しました。バーボンの本場では大反対運動が起こり、実際は徴税できませんでした。
ところで、米国がビキニ環礁で原爆実験を行ったのは、1946年7月1日のことです。その4日後にパリのデザイナー、レアードはいわゆる「ビキニ」の水着を発表しました。原爆も「ビキニ」水着も「究極」という共通の「特徴を備えている」との連想から命名しました。その水着は木綿製で、新聞の紙面のプリント模様でした。
さらに、もう一つ、いまや厄介者の煙草。地方自治体が消費税の収入を増やそうと観光煙草を売り出しましたが、その第一号は「富士箱根伊豆国立公園」と「南房総国立公園」の2種で、発売は1972年7月1日でした。
今回は、雑学をご披露させていただきました。ネタ元は「一年諸事雑記帳」(加藤秀俊著・文春文庫)です。
(聖生清重)