繊維業界は経済産業省が策定した「繊維産業における下請適正取引等の推進のためのガイドライン(以下、「ガイドライン」という。)」に基づき、取引の適正化に努めてきた。日本繊維産業連盟及び繊維産業流通構造改革推進協議会(以下、「両団体」という。)は、これまでの当該ガイドラインに基づく取引適正化の取組みを一層進めるべく、自主行動計画を策定する。

  繊維業界は、紡績や製糸、製織・編立、染色・加工、縫製、アパレル及び小売といった長いサプライチェーンを有しており、サプライチェーン全体での取引の適正化が産業全体の競争力強化に寄与するものであり、サプライチェーンを構成する各事業者がその重要性を理解し、不断に努力を行うことが求められる。

  また、OECDにおいても、「衣類・履物セクターにおける責任あるサプライチェーンのためのデューディリジェンス・ガイダンス」を策定・公表されたこと等、これら「責任あるサプライチェーン」に係る国際的潮流を踏まえ、取引を行う事業者は自社に至るまでのサプライチェーン全体における法令遵守、適正な取引条件や労働環境等の確保について、十分な確認と考慮をすべき社会的責任が求められる。

  このような考えの下、両団体は経済産業大臣の掲げる政策「未来志向型の取引慣行に向けて」や、その一環として改正された下請代金支払遅延等防止法(以下、「下請代金法」という。)に関する運用基準、下請中小企業振興法(以下、「下請振興法」という。)に基づく振興基準及び下請代金の支払手段に関する通達等を踏まえ、適正取引の推進を一層進めるため、サプライチェーン全体の取引適正化に向けた活動を充実すべく「繊維産業の適正取引の推進と生産性・付加価値向上に向けた自主行動計画」を策定することとした。この自主行動計画は、取引を行う事業者双方の「適正取引」や「付加価値向上」につながる望ましい取引慣行を普及・定着させる観点から、合理的な価格決定、コスト負担の適正化、支払条件の改善、生産性の向上等に関する今後の取組みを表明するものである。

  両団体は、サプライチェーン全体への適正取引の浸透に努めるとともに、この自主行動計画の遵守状況を定期的にフォローアップし、確実な実行を担保することで繊維業界の適正取引が浸透するよう取組みを進める。

制定     平成29年3月1日
改定 平成30年7月24日

日本繊維産業連盟
繊維産業流通構造改革推進協議会

改訂の経緯
■平成30年7月24日改訂
繊維産業において、外国人技能実習について法令違反の事例が多数発生しており、業種別では最多となっている。これは、法令違反を犯した個々の事業者の法令遵守の問題のみならず、繊維業界全体の信頼に関わる、極めて由々しい事態である。この問題には、法令違反を犯す企業の法令遵守意識の欠落はもとより、技能実習生等の適正な賃金や労働環境等を確保するには低すぎる発注工賃となっていること、更には、発注者が製品の自社に至るまでのサプライチェーン全体における法令遵守、取引条件等の実態について把握できていないことが背景にある。また、適正でない状態で製造された製品を消費者に提供している場合には、発注者に直接の法令違反がないとしても、企業の社会的責任(サプライチェーンに対する責任)が果たされていない状況が生じている。
こうした事態の適正化に向けて、日本繊維産業連盟は、繊維産業技能実習事業協議会を経済産業省との共同事務局として運営し、同協議会は、技能実習の適正な実施などに向けて繊維業界として講ずべき取組等について協議を行い、平成30年6月に「繊維産業における外国人技能実習の適正な実施等のための取組」を決定した。この取組においては、自主行動計画における「適正取引」への取組みの更なる改善に資する内容を含んでおり、これを反映させるため改訂を行うものである。