事例研究セミナー開催のご報告
5月19日「事例研究セミナー」をTFTビルで開催しました。「事例研究セミナー」は、会員企業・団体の実務担当者を対象に、話題性のあるテーマを適時に提供しています。
今回は、野村総合研究所/産業ITイノベーション本部主席研究員 藤野直明氏を講師にお迎えし「オムニチャネル・リテイリングと繊維ファッション産業のSCM革新 ~アパレル版インダストリアル4.0~」と題して講演をお願い致しました。
昨今多くのメディアで紹介されています「オムニチャネル」について、正しい定義を理解し、戦略立案に役立てていただこうと企画されたセミナーです。
講演では始めに、ドイツ政府が推進する国家プロジェクト「インダストリー4.0」の動きや、その目指す姿、標準化の道のりなどについてお話ししていただきました。講演では、「日本版インダストリー4.0」標準を開発するよりも、国際標準化を掲げて動きつつあるドイツやアメリカの動きを正確に理解し、譲れないモジュール構造とその他のモジュール間の国際標準のインターフェイス開発競争を、自社が有利になるべく設計する作業に加わって行くことが重要と考えると述べられました。
また、オムニチャネル・リテイリングは重要顧客の囲い込み戦略そのものであり、リアル店舗だけで運営している小売業と、オムニチャネルを展開している小売業とではブランド価値に差が出てしまうため、小売業はチャネル別対応ではなく、チャネル横断型の商品・顧客・販促・受注管理を行うことが重要と述べられました。最後に、オムニチャネル・リテイリング戦略の重要性は、今後益々高まるため、「経営直下にタスクフォースを構築して、早期に検討を始めるべきだ」と結ばれました。
当協議会では、今後も会員企業・団体の方々の役に立つような題材を提供していく予定です。