FISPA便り「福祉機器展の盛況に思ったこと」
繊維ファッションSCM推進協議会(FISPA)の事務所があるTFTビルは東京ビッグサイトと隣接しています。このため、最寄駅の混雑状況からビッグサイトで開かれているイベントの人気度を測ることができます。先日も大勢の人で賑わっていました。「第42回国際福祉機器展2015」に足を運ぶ人が多かったのです。
FISPAのスタッフも、当会の活動と関係するユニフォームメーカーが出展していることもあって見てきました。筆者もつられてのぞいてきました。会場に入って、驚いたことは、その規模の大きさと来場者の数。そして、予想を超えたのが福祉機器の充実ぶりでした。東京ビッグサイトの東館の6ホールすべてを使い、14カ国・1地域の522社・団体が最新の福祉機器2000点を総合的に展示していました。
車いす、歩行器、福祉車両、上半身を立てかけるベッド、リフト、簡易トイレ、住宅、入浴用品、義肢・装具、ロボットからコミュ二ケーション機器など。障がいを持った方や生活行動が不自由になった高齢者の生活を支援し、移動を確保する機器類。会場では、電動車椅子使用者も目立ちました。
機器類の一方、介護者向けの衣類も展示されていました。ユニフォームメーカーに加えてスポーツ用品メーカーも出展していましたが、「機能」が持ち味のユニフォームやスポーツ衣料の介護衣料への応用は理にかなったものだと思います。
障がいを負った方だけでなく、これからの高齢化時代で生活行動が不自由なお年寄りが増えることは間違いないでしょう。家族の介護に苦労している方も多いでしょう。そうした福祉の現場では、最新鋭の機器類は必需品でしょう。
福祉機器の導入や、介助者の報酬などは、国の福祉制度に左右されるのではないかと思われます。便利な機器を使いたくても予算がない、との現実もクリアする必要があるのでしょう。
しかし、福祉機器の現場では、人類の知恵である科学技術の成果で便利、快適な機器や用品が開発されていることは確かです。「いずれ、わが身もお世話になるのだろうな…」との複雑な思いを抱えながら見た展示会でしたが、社会福祉関連の産業は、成長産業でもあることを実感した展示会でもありました。
(聖生清重)