FISPA便り「青と赤と白、どの色が強い?」

日本選手のメダルラッシュに湧いたリオデジャネイロオリンピックが17日に閉幕しました。鍛え抜かれた身体と技、強靭な精神力の戦いは、まさに感動を呼ぶものでした。そのオリンピックでアスリートが着用するユニフォームのカラーと勝敗には何らかの関係があるのでしょうか。

「青」対「赤」。なにかと対比されることの多いこの2色。日本のお家芸と言えるレスリングは、「青」対「赤」のユニフォームで対戦します。今大会で日本はレスリングだけで4個の金メダルを獲得しました。「青」のユニフォームと「赤」のユニフォームの対戦での勝敗は、いったいどちらが優勢だったのでしょうか。勝敗とユニフォームのカラーに何らかの関係があるのでしょうか。ちょっと、気になるところです。

もうひとつ、日本のお家芸の柔道はどうか。前回大会の惨敗に対して、リオでは全階級でメダルを獲得する快挙を成し遂げましたが、その際、「青の柔道着」と「白の柔道着」では、どちらを着用した方が有利だったのでしょう。「青」対「白」では、伝統的な「白」より、見た目のインパクトがある「青」の方が有利なように思えますが、果たしてどうだったのでしょう。

あの源平合戦は、「赤」と「白」の戦いでした。ご存知の通り白の源氏が赤の平家を破りました。見た目には、強烈な印象があり、戦闘に向いていると思われる「赤」を「白」が下したことになります。

それはともかく、柔道の試合における柔道着のカラーについての研究を㈶日本色彩研究所の機関誌(2008.3)が朝日新聞のWebサイト(2008.2.17)から引いたところ「柔道では白の柔道着より青の柔道着が勝つ確率が高く、青と赤に分かれて対戦するレスリングでは赤のユニフォームが有利という説もある」としながらも「柔道に関しては青・白ほぼ同じという結果」だったそうです。

リオの結果はさておき、つまるところは、鍛え抜いて身に付けた実力と精進した者だけに微笑む少々の運こそが勝利の要諦のようです。   

(聖生清重)