FISPA便り「流行語大賞で知った我が不可能」

 令和元年ももう師走。師走となると1年を回顧する機会が増えますね。回顧で言えば「流行語」があります。平成から令和へと変わった2019年に話題になった言葉を選ぶ「2019ユーキャン新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選)が先日、発表されました。ご存じのように年間大賞にはラグビー・ワールドカップ(W杯)日本代表のスローガン「ONE TEAM(ワンチーム)」が選ばれました。

 「令和」や「計画運休」、「スマイリングシンデレラ」、「〇〇ペイ」などをおさえて「ワンチーム」が選ばれのですが、多くの方が納得したのではないでしょうか。ラグビーチームが初の8強入りを果たしたこと、予想を超える観客が競技場を埋め、TVの放送も高視聴率を記録し、にわかファンを含めて大いに盛り上がりました。

 かくいう筆者は、長年のラグビー好きですが、これまで観戦してきたラグビーと今回TV観戦したラグビーは次元が異なっているように思えました。特に日本チームがオフロードパスをつないで得点したシーンは、今、思い出しても「ゾクゾク」してきます。

 「ワンチーム」が「大賞」に選ばれた報道を見ますと、7カ国15人の海外出身者を含む31人が文字通りのワンチームになって、快進撃を続けたことが選考理由にあげられていますが、まったく同感です。出身国や民族が異なる人が互いに認め合い、一つの目標に向かって一致協力する姿に、多くの日本人が感動したと思います。日々のニュースは、世界各地での紛争や国家間の対立、各国内や地域でのいがみあいにあふれています。民族や宗教の違いによる争いが収まる気配がありません。だからこそ、日本ラグビーチームの「ワンチーム」が一段と輝いて見えます。

 「ワンチーム」の言葉は、実に使い勝手が良いように思えます。合併や提携した企業、外国人材がいる「部」や「課」といった会社組織でも「ワンチーム」をスローガンにするところが増えそうです。

 そんな「ワンチーム」ですが、ネットを見ていたら、女子中高生の「流行語大賞」があることを知りました。女子中高生向けマーケティング支援の㈱AMFに所属する現役の女子中高生のマーケティングチームが「ヒト・モノ・アプリ・コトバ」の4部門に分けて発表しています。

 それによりますと、2019年の大賞はヒト部門が「Official髭dism」、モノ部門が「ハンドクラップダンス」、アプリ部門が「SODA」、コトバ部門が「びえん」です。

 筆者は、4語とも知りませんでした。ちんぷんかんぷん、お手上げです。で、思ったことは、現代の女子中高生と「ワンチーム」を組めと命じられたとしても、「自信ありません」と答えざるを得ない、ということでした。  

(聖生清重)