FISPA便り「PJT2014会場から」
日本ファッション・ウイーク推進機構(JFW)主催のテキスタイル見本市「プレミアム・テキスタイル・ジャパン(PTJ)2014春夏」が今月上旬に開かれました。以下、雑感風に会場で見聞した事柄を記します。
会場は、東京・有楽町の東京国際フォーラム。大規模な見本市会場である東京ビッグサイトに比べると小規模ですが交通が便利で、忙しい来場者に好評です。会場が狭い分、賑わいも実現していました。
内容も充実していました。主催者によりますと、今回の出展社は67件(国内60件、海外7件)。出展希望者が多く、厳選した結果、かなりの企業がウエーティング状態に置かれたそうです。日本の展示商談会はとかく「付き合い的な出展」が少なくないとされていますが、PTJは「やる気」も実力もあるテキスタイルメーカーが揃ったと言えるでしょう。
筆者が会場を回っていた時、偶然、日本アパレル・ファッション産業協会の廣内武理事長にお目にかかりました。JFWの担当者と熱心に会場を回り、生地見本を手に取っていました。テキスタイルの主要バイヤーである日本のアパレル産業を代表する団体の理事長のPTJ視察は、終始、笑みを絶やさず、来場者に応対している貝原良治JFWテキスタイル事業運営委員長をはじめとする出展者にとって何よりも歓迎できることです。
そんな会場で、若手デザイナーとテキスタイル産地の出会いに尽力しているKさんに会いました。Kさんに最近の産地やデザイナーの状況を聞くと、こんな答えがかえってきました。
「若手から中堅の域に入りつつあるデザイナーブランドが、“東京ファッション”と言えるひとつの塊になって世界に発信する方向が出てきました。『まとふ』(堀畑裕之・関口真希子)、『ヤストシ・エズミ』(江角泰俊)、『エーディグリーファーレンハイト』(天津憂)などです。クリエーションはもとより、ビジネス面でも着実に伸びています」。
世界における日本ファッションの次代を担うことが期待されるデザイナー。共通項のひとつは日本素材を使用していることだそうです。
(聖生清重)