FISPA便り「キョウヨウとキョウイク」
今年ももう1年間の半分が過ぎ、いつものように夏休みの季節がやってきました。夏、となれば「山へ、海へ」と老若男女を誘う、空や海を連想させる青色、雲を連想させる白色を基調にしたポスターが目に入ります。あるいは、故郷へ帰り、旧盆の墓参りを兼ねての旅も定番でしょう。もちろん、交通や安全などの公共機関、行楽地の施設や商業施設などで働いている人は夏休みどころではないでしょうが、それはそれとして、夏は、人々が移動する季節であることは確かでしょう。
「移動」と言えば、先日、どの新聞かは忘れてしまいましたが、コラムの内容に感心し、いささか考えさせられました。お読みになった方もいらっしゃるかも知れませんが、その趣旨を紹介しますと、「人間には『キョウヨウ』と『キョウイク』が大事です」というものです。
「キョウヨウ」は「教養」ではありません。「キョウイク」は「教育」ではありません。前者は「今日、用がある」の意、後者は「今日、(どこかへ)行く」の意なのです。そう、とりわけ高齢者は、家にとどまってばかりいないで「今日は、こんな用事がある」ので「あそこへ行く」といったアクティブな生活こそが若さを保つ秘訣だと言うのです。
このコラムを読んで下さる現役のビジネスマン諸氏にも思い当たることがあるのではないでしょうか。久しぶりの休日なのに、奥方は「今日は、観劇」の用があるので「歌舞伎座に行きます」とか、「今日は、友人と日帰り旅行」の用があるので「日光に行きます」と宣言され、内心、ムッとしたことを。そうです。女性陣は、ずっと以前から「キョウヨウ」と「キョウイク」を身につけているのです。無「キョウヨウ」、無「キョウイク」は、主として男性陣の特徴のように思えます。
繊維ファッションSCM推進協議会も、旧盆中は夏季休暇です。A専務理事をはじめ、スタッフの「キョウヨウ」と「キョウイク」の水準は、どの程度なのでしょう。
(聖生清重)