事例研究セミナー開催のご報告

  11月26日「事例研究セミナー」を東京・有明のTFTビルで開催しました。「事例研究セミナー」は、会員企業・団体の実務担当者を対象に、話題性のあるテーマを適時に提供しています。 

 今回は、野村総合研究所 上席コンサルタント 日戸浩之氏を講師にお迎えし「情報疲労時代のマーケティングストーリー ~なぜ日本人は、モノを買わないのか~」と題して講演をお願い致しました。 

  野村総合研究所では、生活者1万人を対象に1997年から3年ごとに、生活価値観や消費意識などについて調査を行っており、15年という長期時系列のデータから、消費者の情報へのアプローチ方法や考え方と生活スタイルにおける消費価値観の変化についてお話しをしていただきました。

  「モノ余りの時代」「デフレの時代」が長く続き、「日本の消費者は、モノを買わなくなった」といわれていますが、なぜ買わなくなったのでしょうか。何かきっかけがあれば買うのでしょうか。そんな消費者の心理や行動に鋭く迫った話を聞くことができました。

  消費者の7割の人は、モノを買うとき情報が多すぎて困惑し、過剰な情報は消費者を疲労させ思考停止状態に陥らせてしまう。その結果、かえって消費から遠のかせてしまうそうです。多様なチャネルに大量の情報が氾濫し、失敗したくないゆえ情報を集めるが、それでも「自分が間違った判断をしてしまうのではないか」と考えている人が46%と半数近くに達し、「最後は自分で決めたい」と考える人は81%もいるようです。まさに「迷える消費者」の時代になっているという興味深いデータでも ありました。

  そうしたジレンマから「オススメ=選択肢のスクリーニング」を求めるようになってきているようで、デジタル情報全盛期でありながら、店頭に回帰する傾向がみられているとの分析もありました。

   当協議会では、今後も会員企業・団体の方々の役に立つような題材を提供していく予定です。